仮想化プリセールスの徒然Diary

VMwareに関する記事、日常的な出来事など徒然なるままに書いています。

VMware Cloud on AWS アップデート情報 ~2022/4~

今回はVMCのアップデート情報をお届けします。

今回は大規模環境に対応しやすくなるアップデートですね。

 

  1. Multi-CGWのサポート
    従来は1つしか作成できなかったCompute Gatawayを複数作れることになりました。
    また、CGW追加時には3つのCGW Typeからオプションを選択可能です。

    Routed 外部とルーティングをする構成
    NATed NATを使用する構成
    isolated Edge Routerと接続しない構成

    他にもスタティックルートをサポートしてたり、VPN接続(L3/L2-VPN)をサポートしていたり、Multi-CGWの登場により柔軟なネットワークを組むことができて、より使いやすくなりますね

  2. ルート集約機能
    隣接するセグメントのCIDRを集約する機能(Route Aggregation)をサポートしました。
    もともとDXからオンプレミス側に広報できるルート数は最大20と制限されていたのですが、この機能により効率よくルート情報を広報できるようになりますので、はっきり言って便利です。

  3. CGWに構成できるセグメント数が大幅増加
    Multi-CGWとRoute Aggregationの機能追加のおかげで今まで最大200であったセグメント数が4000になり、大規模環境のVMC移行が現実的になりました。

 

今回は202204のアップデートを簡単にまとめましたが、この機能をフルで使えるような大規模環境の構築をやってみたいもんです。

VMware Cloud on AWS アップデート情報 ~2021/12~

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VMware Cloud on AWSのアップデート情報が出ていましたので簡単に概要などをつづっておきます。

 

VMware Cloud with Tanzu

VMWorld 2021で発表されていましたが、リリースされましたね。

内容は以前説明したとおり、追加料金なしでk8sディストリビューションであるTanzuを利用できるようになるというものです。

ただし、標準に搭載されているTanzuは機能制限がしてあり、全機能を利用するにはstandardやadvancedライセンスが必要みたいです。 

 

利用する上での留意点は以下の通り。

最小ホスト数は3台(2Nodeはダメかー)

新規のSDDCが必要(途中からはダメかー)

 

2ホストまたは4ホストからマルチAZ構成が組めるように

ホストをAZ毎に1台または2台ずつ配置することでマルチAZを組めるようになりました。ちなみにホストの拡張可能(AZ両方に追加)ですが縮小は不可です。

 

VMware  Cloud Disaster RecoveryのRPO短縮

これもVMworld 2021で発表されてたものですね。最短30分毎にスナップショットを作成できるようになりました。

 

今回は以上です。

皆様よいお年をー。

VMworld 2021について書いてみます(4)

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VMworld 2021についても今回が最後。遅筆で1ヶ月近くかかってしまった。

VMworld 2021 Japanが始まるまでにはと思って急いで書きました。

 

最後の1つはAnywhere Workspace + Edgeです。

 

Anywhere Workspace + Edge

このAnywhere Workspaceというものは、もう少し前から出てきた言葉ですね。

以下のスライドの通り、VMware Workspace ONE/VMware Carbon Black/VMware SASEの3プロダクト群によって構成されています。

その名の通り、Anywhere Workspaceのコンセプトをもとに、従業員の職場環境(オフィス、自宅などのリモートワークなど多彩)からのアクセスに対してセキュリティを担保しながら柔軟なワークスペースを提供するというものです。

 

Anywhere_Workspace.png

 

そして今回は、このAnywhere Workspaceに加えて、拠点からのEdgeというキーワードを含めることをアピールしています。つまりエンドポイントだけでなくEdgeからのアクセスを含めて統合管理していくというメッセージなのかな。

 

新発表については、まずVMware SASEへの機能拡張です。

追加されたのは「Data Loss Prevention(DLP)」と「Cloud Access Security Broker(CASB)」の2つの機能です。これは、VMware SASEが発表された時から追加予定と発表されていたものですが、このタイミングで発表となりましたね。

 

続いては「VMware Edge Compute Stack」の発表です。

こちらは主に小売のように多くの複数拠点を持つような業態において利用されるケースが多くなりそうな各拠点に配備するためのアプライアンスとなります。

こちらの各拠点に設置したHCIアプライアンス上にVMware Edge Compute Stack をアプライアンス的に構成することでVMware SD-WANの機能などが有効になり、拠点間SD-WAN接続であったりVMware SASEに対してのSD-WAN接続などが可能になります。

3つのエディション(Standard、Advanced、Enterprise)が提供される予定であり、さらに軽量アプリ向けの“シンエッジ”を実現するEdge Compute Stackの軽量バージョンも開発予定だとしています。

VMware-Edge-Portfolio.png

 

さて、まとめるのに時間が掛かってしまいましたが、VMworld 2021のまとめはここまでです。

いやー今回は発表が多岐に渡り、見ごたえのあるVMworldだったなぁと感じましたが、去年も言いましたが、やっぱりオフラインで現地に行きたいなと思いました。

来年こそ!

 

11月末にはVMworld 2021 Japanも開催され、私もオンデマンドセッションの枠を持ってたりします。

また、アップデートがあればこちらで解説したいなと思いますので今後もよろしくお願いします。

 

VMworld 2021に関する過去のブログはこちらから。

 

ekobaya-v.hatenablog.com

 

ekobaya-v.hatenablog.com

 

ekobaya-v.hatenablog.com

 

VMworld 2021について書いてみます(3)

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また今回もVMworldについて書いていきますね。

前回までのブログは最後にリンクを貼っておきます。

 

Cloud Infrastructure

Cloud Infrastructureも多くの発表がありましたね。

まずは「VMware Cloud with Tanzu Services」から。

VMware Cloud on AWSに、Kubernetesエンジンと管理ツール(Tanzu Kubernetes Grid、Tanzu Mission Control Essentials)のサービスを追加料金なしで付加し提供するというものですね。

これは日本でも注目される発表だと思いました。東京リージョンではいつから利用可能になるのか続報を待ちたいなと思います。

 

また、VMware Cloud on AWSは大阪リージョン開設(待ってた!)の発表、VMware Cloud Disaster Recoveryのパフォーマンス改善(RPO短縮)、NSX Advanced Security の機能がVMware Cloud に統合されるなどの発表がありました。

 

そして、個人的に最も興味を持ったのが「Project Arctic」です。

ProjectArctic.png

General Session内では次世代のvSphereとして開発されているvSphereのクラウドサービスですというようなさらっと説明があっただけで深く説明がなかったんですよね。

後で調べてみると、クラウドとの接続機能をネイティブに備え、複数のデータセンターとVMware Cloudによるハイブリッドクラウド環境をよりシームレスに管理できるものとなるみたい。これによって、オンプレミスでリソースが足りなくなった場合でもVMware Cloud上にオンデマンドでキャパシティ拡張したり、マルチクラウド環境の拡大につながると非常に注目のプロジェクトでした。

 

今回はここまで。

 

過去のブログのリンクは以下。

ekobaya-v.hatenablog.com

 

ekobaya-v.hatenablog.com

 

VMworld 2021について書いてみます(2)

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前回の続きです!

 

ekobaya-v.hatenablog.com

 

今回から以下の3つにフューチャーして説明していきます。

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App Platform

App Platformの範囲においても、多くの発表がありました。

まずはモダンアプリケーションの開発と展開を支えるVMware Tanzuから、Kubernetesの学習者やユーザー向けにTanzuを無償提供する「VMware Tanzu Community Edition」の発表がありました。

これが本領域の目玉なんじゃないかなと思ってます。

個人情報の登録などはなく、ダウンロードできるようなので、私も時間を取って検証したいと思います。

Tanzu_Community_Edition.png

 

続いては「Tanzu Application Platform」(β版)のリリース発表がありました。

アプリケーション開発者側がインフラとしてのKubernetesプラットフォームに精通していなかったとしても、コードからイメージの生成、スキャンなどまでを自動的に行ってくれるような開発者・IT管理者双方にとって理想的な開発プラットフォームを提供してくれるものとなり、現在βプログラムが走っています。今回そちらのβプログラムのフェーズ2が開始されたことが発表されました。

 

インフラ技術者にはTanzuってハードル高いんですが、いよいよ避けては通れないんでしょうね。。

 

また次回をお待ちください。